決死の思いで自分で誘ってからまた1年ほど経ったころ、
私はついにやってしまいました。
といっても、浮気ではありません。
その日初めて会った男の人と二人きりで飲みに行き、
前後不覚になるほど酔ってしまいました。
当時の私は、
「私は彼に必要とされていない」
「私は女性として魅力がない」
といったコンプレックスの塊でした。
私はもともとスタイルもよくないし、顔立ちも並以下です。
社会人として身なりはきちんとするよう心がけていたものの、
「私はこんなに魅力的なのに、どうして抱いてくれないの!?」
なんて、おこがましくてとても思えない容姿。
「そうだよね、こんな見た目じゃエッチしたくもならないよね……」という感じです。
だけど、そんな私にも欲はありました。
「愛されたい」
「求められたい」
「女性に生まれた悦びをもっと感じたい」
という欲です。
最後にセックス(未遂)してからの1年間、
これらの欲は私の中でぐるぐると渦巻いて、もうどうしようもないところまで来ていました。
ある日、仕事がらみで出会った年上の男性と、仕事終わりに
つぶれるまで飲んでしまったのです。
その男性は、飲んでいる間中ずっと
かわいいね、きれいだね、こんなきれいな子が彼女だったら彼氏も幸せ者だね、
と私をほめてくれ、モテない私は有頂天になり、どんどんグラスを空けて。
今日このまま泊まっていこうよ、と何度も誘われて、それをかわして、
楽しく飲んでいたと思うのですが……。
そのあたりから記憶がありません。
その男性はタクシーで家まで送り届けてくれたようなのですが、
それさえも私は覚えておらず……。
あまりの泥酔具合に男性も引いてしまったようで、
体の関係には至りませんでした。(笑)
次の日、目が覚めると強烈な二日酔いと、彼への罪悪感がありました。
一晩中よく知りもしない男性に口説かれていたというだけで、
これほどまでに罪悪感を感じるとは思いもしませんでした。
やっとの思いで会社へ行って、何度もトイレで吐きながら、
もし彼にばれたら、彼に嫌われたら、別れようと言われたら、
そんなことを一日中考えていました。
「彼が抱いてくれないなら、浮気してやる!」
「他の人とセックスしたって、彼に文句を言われる筋合いはない」
「私を一人占めしたいなら、満足させてよ」
なんて思っていたはずなのに、彼にばれて嫌われることを考えただけで
こんなにも恐ろしくなるとは思いませんでした。
生活圏も別々ですし、普段から連絡を頻繁に取り合っているわけでもないので、
彼にばれるはずもないのですが。
たとえセックスがなくても、彼と離れたくないんだ、
と自分の気持ちに気付いた出来事でした。
